「成功のために1から作り上げていく。その中心に立つのはとても勇気のあることで、責任も重く感じるかもしれないが、お前達にとっていい経験になる。
それに、係っていうのは雑用なんかじゃないんだ。確かに準備や片付けもするが、皆をまとめていい方向へ引っ張っていくのが本質だろう。
大人になったら皆で何かを達成するために努力するなんてことなくなってしまうからな。
だからこういうのは今しか出来ない貴重なことなんだぞ。」
気付けば私は目線を外から先生へと移していた。
先生の言葉が私の中にストンと落ちる。
何故だろう、今まであまり考えてこなかった学校行事が少し大事に思えた気がした。
ずっと1人だった私は学校行事は特に思い出もなく、周りが楽しそうにしてるのを羨ましく思ってた。
でもそれは小さい頃の話。
中学の頃はもうそれが当たり前になってきて何も感じなくなっていた。
私はそういう権利はないんだと決めつけていたんだ。
でも、ここのところずっと考えてた。
圭人君、杏ちゃん、和哉君と過ごしてきて、楽しいなと感じる瞬間が増えたと思う。
なのに私はやっぱり昔と何も変わってない。