「私…運動音痴で、体育祭って苦手なの。」

コソっと杏ちゃんにそう言った。



そう、私は大の運動音痴なのである。

走るのはもちろんの事、球技やマット運動など全てにおいて体育は苦手。

いや、苦手なんていうものではない、全く運動出来ないしそもそも大嫌いである。



「やっぱり?そうかもしれないなって思った。」

と杏ちゃんが私にも耳元で話してくれる

「え?何で?」

「今までの体育の授業一緒にやっててなんとなくそうかもしれないなーって。」


なるほど、そういうことかと納得した。

この学校は体育は男女が別であり、やることも異なっている。


「じゃあさ、借り物に一緒に出ようよ。ここの学校の借り物そんなに走る距離少ないらしいしさ。それに、せっかくの体育祭だもん、一緒に楽しみたいじゃない?ね?お願い。」


と、上目遣いの杏ちゃん。

そんな可愛い杏ちゃんを見ちゃったら

「う、うん!」

としか言えなかったんだ。