なるべく言いたくないし認めたくないこの事実。
しょうがない、言うしかないんだ。
だって本当のことなんだもん。
「海?どうした?」
「あのね、実は…」
意を決したその時
「うーみ!体育祭の種目何にする?一緒に出ようよ。」
素晴らしいと言っていいほどのタイミングで杏ちゃんが登場した。
「杏ちゃん。あのね、私…」
ああ、どうしよう、勇気が出ない。
いつもは補欠なんて誰もやりたがらないからすぐに入れるし、そんな私に疑問を持つ人なんていなかったから今のような状況になったことは1度もなかった。
なーに?どうしたの?と笑顔で杏ちゃんが私に顔を近づけ、耳を私の方に向けた。
これはきっと杏ちゃんが気を使ってくれたんだ。
私が圭人君に聞かれたくないのをなんとなく気づいて…。