途端に風が吹いた



本当に一緒にいていいのかな


私がその明るい場所にいていいの?


やっぱり嫌だって突き放したりしない?



「海。俺は、お前と一緒にこれから過ごしたいんだ。嬉しい思い出も、悲しい思い出も全部ひっくるめて。」



圭人君のその言葉に涙が出そうだった


私にそんな温かい言葉をくれた人はあなたが始めて


私の冷えきった心を温めてくれるの?



「…でも何でそこまで言ってくれるの?ついこの前出会ったばっかりなのに。」



これは私が少し思った疑問


圭人君が見ず知らずの私にここまでしてくれる理由が分からなかった



「海ちゃん、それは野暮な質問だよ。」


と、くるりと振り返って答えた和哉くん


「どういうこと…?」


理解力が乏しい私にはまだ理解出来ない


だって私に何か魅力がある訳でもないし、かといって一緒にいるメリットなんて見つかりっこない