「やっぱりとか言うなよ、芽留。普通に傷付くだろ」
「だってぇ…
やっぱりそうなんだぁって思って」
「ち、違うって!廣木君のことは本当に嫌いじゃないの!」
「紗絢ちゃん…。紗絢ちゃんが庇えば庇うほど、ひろの傷口は広がるんだよ?嫌いなら嫌いって言っちゃいな!」
「お前が喋れば喋るほど俺の傷口は痛む」
笑顔で惨いことを言う芽留ちゃんはどこか清々しい。
「違うよっ。本当に、好きだから!」
「…っ」
「…なに赤くなってんの、ひろ。今の“好き”は嫌いじゃないって言う意味の好きだよ。そしてもちろんloveじゃなくてlikeだよ」
「…っわかってるっつうの!」
何故かいきなり頬と耳を赤く染める廣木君。
芽留ちゃんから何かを言われた彼は『くそっ!』と悪態をつきながらそっぽを向いた。