「―――オペラ、嫌いだった?」 その問いには、瞬時に反応出来なかった。 「え、」 「オペラ、嫌い?」 「え、う、ううん、」 「そっか。俺が誘ったの、オペラだったからさ」 そう言えば、廣木君に誘われたのは、オペラだった。 二枚チケットがあるからと言われたけど、わたしはとある理由から断ってしまった。