「……そうだったんだ、

 お父さん大丈夫?」


「はい。姉がついてますから」


「でも、せっかく休みとったんでしょ?


 きみも付いててあげたらよかったのに」



「うん。


 でも、

 なんだか居心地悪くて……」


「どうして、実の親姉妹なんでしょ?」


「うん……だけど、


 っどうでもいいじゃない、色々あんのよ」

彼女は困った顔をしていた。

しまった俺、地雷踏んだのか?

知り合ったばかりの俺にそこまで突っ込む権利は無いのに。

「でも、ラッキーかな。

 そんな休みの日に河原さんに会えて。


 俺午後から授業だから時間あるし、

 なんか立ち話長くなっちゃったけど、

 そこのカフェでゆっくりお茶でもしない?」


「あっ」


「え?」


「ごめんなさい、私予定あったんだった」


「友達と待ち合わせてて、

 あ~っ

 ごめんなさいッまた今度ゆっくり話しましょう」


あわててバタバタと走り去る先に、

多分同じ年ぐらいの男がいて、

手を挙げていた。


恋人?

彼女は俺を振りかえると、

「ごめんなさい!」

と手を振った。


考えてなかったわけじゃない。


あれから3年だ、彼女に恋人がいたとしたって不思議はない。


会えればそれでまず目標は達成された。


彼氏がいるならそれ以上俺は望んではいけない。


そうだろう?
俺は笑って彼女の幸せを祈るべきだ。