追いかけるように私もカフェに飛び込む。


あれ?


店内を見回しても、

さっき見た人はいなくて、

気のせい?


それとも、


ぞぞぞぞっ

まさか幽霊とか?

店員さんが少なくて、

暫く誰も注文を取りに来ない。


声を掛けようにも、姿が見えない。


まあ、急がないから別にいいんだけど、

暫くすると、奥の方からぱたぱたと

人が出てきて、

水とおしぼりを持ってきた。


「いらっしゃいませ、

 ご注文がお決まりでしたら伺います」


にっこりと笑ったウェイトレスさんは、


超美人、

え、でもなんか?


あれ?


私がぶしつけにじろじろ見たせいで、

不安そうにさせてしまった。



「あの?お客様何か?」



「あ、いいえ、カフェラテください」



「かしこまりました」

ふわりと香りを残し去っていくウェイトレスさん

を見送りながら、


香りとか、私縁がなかったな。

食品を扱う仕事だから匂いは禁物だったから、専門のころから、

一切香りのものは身につける習慣がなかった。


私ってつくづく女らしくないなあ。