「ああ、色々助かった、詩信

 ゆっくり寝ろよ」


「うんお休み。」


「おやすみ~!

 もうパパったら、人のことよりまず自分のことよ?

 来るの遅くなっちゃったのはね

 今日ね学校でね……」


「お前、旦那ほっぽって何してる。

 パパのことよりまず旦那だろう?」



「いいのいいの、メールしてあるから。


 どうせ帰るのあの人朝方だし、

 私とまともに話すのは、休みの日ぐらいだもの。


……それより聞いて今日ね私ね……」



ああ、パパ、かわいそうに、

今日は寝られるんだろうか?

一晩中おしゃべりに付き合わされたりして?

御愁傷様です。


お姉ちゃんの嬉しそうな声を背中に部屋を出て襖をそっと閉める。