「ただいま」


誰もいない玄関を開ける。

あれ?


朝の食事がそのままになっていて、

食べた形跡がない。

二階へあわてて駆け上がると、

消え入るような声で、


「だれだ、詩信か?」

ふすまの向こうから声がする。

「パパ?どうしたの?」

がっと音を立てて開けると、


布団に突っ伏したまま動けないパパが妙な格好をしている。


「何何?どうしたの?病気?」

「腰、朝起きようとしたらギクッとして、


 動けないんだ、

 頼む~ペットボトル持ってきてくれ」



「ペットボトル?何が飲みたいの?」


「違う、トイレに使うんだ、

 早くッ漏れるっ!」


「え??トイレ?」


「できれば口の太いやつ、あったろ匂いの付いた水のやつ」


「ああ、うん、ボルビーク」

「早くっ!」


「はいはいっ」

急いでパパが良く飲んでるボルビークのペット
を渡すと、部屋を追い出された。


「トイレってどういうこと?」


暫くしてもう一度呼ばれていくと、

ペットボトルにたっぷり入った黄色い液体を渡され、

「それ、トイレに流しといて」


やっと判ったその液体の正体ペットボトルの使い道。

うぇーいっ