「これ使ってください」


バックから
ウェットティッシュを出して数枚手渡してくれた。

「すみません」

手始めに手を拭うと、

「はい」

更にもう2枚手渡してくれ、

顔を拭った。


多少クリームは残るが、

気持ちは落ち着いた。


「すみません、ご迷惑をおかけしました」


「いいえ、けど、いったいどうしたんですか?」


「カラスです。

 その……


 ケーキがカラスに襲われて……」


「ああ……それで」


ケーキの箱とその残骸を見て、

ふふっと


笑った。


え?ここ笑うとこ?