からからんと、

お店のドアが開く音がして、

はっとした。


私ったら!

さっきのバイク便の人に失礼なことしちゃった。

あわててお店に出てみると、

そこには、笑顔の那珂井さんと、

4歳くらいの男の子が息を弾ませてたっていた。


この子のケーキなんだ。


「ゆうしんくん?」

「うんそうだよ」


再びドアが開き、

お母さんらしい女の人が店に入ってきて、

「長谷川です。予約のケーキ取りに来ました」

と告げた。


間一髪間に会った。

奥から店長がにっこりと笑って、


ケーキの箱を持って現れ、

男の子に、

「ゆうしんくんのために特別美味しく作ったからね」

と話しかけた。

ゆうしん君の顔はにまっと笑顔いっぱいになると。


「ありがとおじさん」

くるりんと回って見せた。