翌日事情説明に行こうとした時連絡が入った。

犯人が出頭してきたのだと言う。


那珂井さんと警察署の前に行くと直君が待っていた。

「しのちゃん!」

「なお君?どうしてここに」

「私が連絡しといたの。私より頼りになるでしょ?」

「しのちゃん。大変だったんだって?」

「うん」

「怪我したの?」

「ああ、これは大したこと無くて」


「大したことあるよ。

ああ、もう、

なんで連絡くれないの?

夜中だろうがなんだろうが、

しのちゃんの危機には駆け付けるのに」


「だって」

那珂井さんが面白そうに笑っているのを横目で見ながら、

困ったような嬉しいような気持ちでいっぱいになった。


「……うん今度から、ちゃんと言うから」


「うん」

「私より頼りになるナイトが来たから、

 私は戻ろうかな。

 よろしくね」


「はい。連絡ありがとうございます」


「那珂井さん!ありがとう」

Vサインをしながら帰って行った。


「いい人だね」

「うん」

「私ね、一人でがんばろうって思ってたの。

 一人でがんばってるんだって思ってた。

 でも違った。

 私、那珂井さんに守ってもらってた。

 好意に甘えてたんだね」


「しのちゃん。

 それ、迷惑とかじゃないよ。」


「うん……だけど」


「あのね。 人って大切な人に頼られると嬉しいんだから」

「うん」

「ああ、もうっだからさあ、頼って欲しいんだって。

 特に俺っ

 俺に!」

『しのちゃんには味方がたくさんいるんだから』


そう、そうなんだね那珂井さん。


「ごめんね」

私は直君の手をきゅっと握った。


直君は嬉しそうに笑って握り返してくれた。


「そこはありがとでしょ?」


「うん。ありがと」


「さて、行こうか」


私たちは犯人の人が待ってると言う場所へ向かった。