まあ、いいか。


今ちょっと気分いいし、


軽く飲んで夕飯食って帰ろう。

「ビーフシチューください

 ビールも」


「はいはい」


泉さんがメニューを手に戻って行くと、

カランカランと、

音をさせてドアが開いた。


もうすぐ閉店時間であることを客に話しているようだったが、


生け込みでそのやり取りは側見えなかったが、

何やら暫く話しこんで、その客は帰って行った。


その後俺のビーフシチューを運んできた。

「さっきのお客さんね、

 あなたたちのコンパに参加するはずだった女の子みたい」


「え?」


「ごめんもう解散したって伝えちゃった」


「あ、そう……」


「一応あなたが一人だけ残ってるってことも伝えたけど、

 友人に遅れたことを謝りたいだけだからって言って、

 解散したなら後でメール入れるからいいって、

 帰って行ったわ」

そうだよな、

見ず知らずの男に、

用は無いよな。

まあ、あっても何話していいかわからないし。


俺は無言でぐっとビールをのどに流し込んだ。


く~、効くなあ。


ちょっとその子の顔が見たくなかったと言うとウソになるけど、


俺にはチョコの彼女がいるんだから。

かトラリーケースからスプーンを取り出すと、

ビーフシチュウをライスと一緒に口に運んだ。

「うま。」

泉さんはそれを見てくすくすと笑った。