繁華街からちょっと路地を入って、

学生価格の洋食屋CONAN

俺たちがいつもコンパでお世話になっている。


カララン

「こんにちわ」


「ああ、宮君いらっしゃい。

 もう盛り上がってるわよ」

マスターの奥さん泉さんがくっと顎で指す方では、


南たちがいつものようにはじけて盛り上がっていた。


って、おいおいまだ6時にもなってないぞ。


「おせーぞ宮!」


南がぶんぶんと手振り回して俺を呼んだ。


「南!お前荷物配達し忘れてんじゃないか?

 事務所は大騒ぎだぞ!」


「え?あ、そっか、これか」

バックからコロンと小さな荷物が転がり出した。


「ばっか、なにやってんだ。事務所の信用落としちまうだろ?」


「これころがりやすくて、

 しょうがないからバックに入れてんだった。」


梱包材にくるまれたそれは丸くて安定してないものではあったが、

それが言い訳になるわけがない。


「やべ、まいったな後で絞られそうだ、

 其れに俺飲んじゃったから、バイク乗れないわ」

ったくだから学生バイトは使えねーと言われんだよ。

俺はため息をつくと手を差し出した。

「俺届けてくるから、バイク貸して」

「おお!悪いな。頼む!」


俺はバイクのキーと荷物を受け取ると、

住所を確認して携帯のナビに入れた。


パティスリーKAOか、

なんだ、近いじゃないか、


届け先はここから信号一つ先のケーキ屋に向かった。