テーブルには、すでに宴会の準備が整っており、

ビーフシチュー

茶碗蒸し

カレー

オムレツ

おでん



ん?

何とも変わったメニュー。


「お口に合えばいいのですが、

 何ぶん急だったので、

 冷凍しておいたものを出してしまいました。」


「さしずめ今日のメニューは、

 茶碗蒸しとおでんだな?

 しかもコンビニの」


「えへへ、おでんはコンビニが一番なんですもの」


そんなうさぎのメイドさん姿でペロッと舌を出されたら、

萌えちゃいそうです、音々さん。


「お前、人の嫁に萌えてんじゃない」


「いや、ははっ、かわいい奥さんですね」


「だろ?可愛いんだよこれが、いいだろう?やらんぞおい!」

「やだ、八起さんたら♡」

なんだこの夫婦、

ノムさんは絶対奥さん見せびらかしたかったんだろ。


衣装も指定したのかな、だとしたらすごい早業だ。


早々にいただいて帰ろう。


「いただきます」

まず目の前に置かれたビーフシチュ-から。


「うまっ」


「そうだろう洋食は得意なんだ音々は海外帰りのお嬢様だからな」


「へえ、ほんとですか?

 どこでそんなお嬢様と知り合ったんです?」


「はは、すぐそこの道で拾ったんだよ」


うそくさい返事に、いらっとしながら、


「へえ、それはよかったじゃないですか」

と、返せば、

「ほんと、俺は何かと拾い物が多くてな。今日も宮くん拾っちまった」


と、満足そうにビールを煽った。


「この間は猫拾ったんですよ」


音々さんはにこりと笑うと、

どうぞと、グラスビールを勧めてくれた。