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逃げ出してしまった。

非恋愛経験者の俺にとって、

ハードル上がりすぎなんだよな。


彼女がどんな人だろうと、俺の思いは変わるはずないのだけれとも、

どう接してあげるべきなのか?

何が一番最良なのか?


彼女は傷ついてしまっただろうか。


もうすでにバスもなく、家までの道を力ない足取りで歩く。


普段は気にならない街灯の明かりも、

やけに遠く暗く感じる。


はあ、

ため息さえままならないほど、

落ち込む気持ちは、

今更ながら、

自分の行動を後悔してやまない。


「あれ?宮君じゃん?」


「ノムさん」


「なんだあ?しょんぼりして、失恋でもしたか?」


『あ、いや、まだそうではないと……」


「なんだあ?はっきりしないなあ。


 まあ、いいか、俺今帰るところなんだ、よかったら家で飲むか?」



「や、でも……」


「気にすんな!新婚だけど、俺の奥さんは寛大だ、

 喜んで歓迎するぞ!」


ノムさんはちゃちゃっとガラケーを取り出し、

メールを打ち始めた。