「陽君どうしたの?」


「あり得ないって言ってんだ、

俺と再会したんだろ?

5年ぶりに再会してお互い成長して、普通そこ恋に落ちるだろ。

其れなのに何で、あいつと付き合うわけ?」


「まさかあ、ドラマじゃあるまいし、

それに別に、たまたまその日に付き合うことにしただけだし、

陽君に会おうが会わなかろうが関係なくない?」


「大ありだろ?

 初恋の相手が、お前に会いに来たんだぜ?」


「女から逃げてきたんでしょ?

 話すりかえてるでしょ?」


「そ、そうもとも言う」


「全く、誰もが自分を好きだとか勘違い男だね」


すごすごとテーブルに座ると、

しゅんとした。



「……可愛くないな、昔は従順だったのに」

「いつまであなたのパシリでいられますかっての。

あの頃はそれが楽だってだけだから、

それが私の居場所だったし。


行っとくけど、あの頃、

……私、陽君のこと嫌いだった」

「なっ

ガタンッ


陽君は再び椅子から信じられないという顔で立ちあがった。