『おはよう。

今日の予定は、
朝イチでバイトです。
3時上がり

仕事終わったらお店行ってもいいですか』

なお君。

なんとシンプルな内容。
でも、それがなんとも彼らしいっていうか


お店にって、

あ、

ケーキの試作するんだった!

こんなことしてらんない。

「仕事行かなきゃ。

パパも遅刻するわよ。」

「詩信めしは?」

「誰か何か言ったのかしら?」

私はじろりと陽くんを睨み付け、
有無を言わせなかった 


「陽くんどうせ暇でしょ?
コンビニで、でもどうぞ?」

「うっ……」

勝った。……って何に?

バタバタと用意して、
玄関に直行。

陽くんが待ち構えてて、

「詩信あのさ、俺……」

何か言いたいみたいだったけど、
「時間がないから後にして」
と、

鍵を渡して、

家を飛び出した。

今朝の出来事は、
……かなり痛手だったけど


忘れよう!


昨日は、


私にとって
奇跡的なことが起こった日だったんだもの。