「変わってねーなあ」

「何よ」

「いい子のしのちゃん。

あい変わらずやってるんだ。
おばさんはいないのに。」
  
「は?生活習慣に文句言われたくない!」

「お前、言ってたじゃん
『いい子でいたらママは帰ってくる』
帰って来なかっただろ?
無駄な努力続けてるとか、
どんだけいい子ちゃんなんだかな」

「うるさい!」

「詩信、いいかげんに自分を捨てた母親の為に自分を責めるのやめろよ」


「黙れ!黙れ!黙れ!
これ以上そのこと言うのなら出ていって!」

ハアッハアッハアッ……

息が出来ない。
苦しいのに、息のしかたを忘れちゃった?

ハアッ

苦しい……過呼吸?


ハアッ

「詩信?大丈夫か?詩信!」

「袋、ハアッなんでもいいから、

は、早く、ハアッハアッ」


「これでいいか?!」

「穴あけて……ハアッハア」


苦しい、苦しい、

助けて、

意識がもうろうとなってくる。



「ママ……助け……」





『しのちゃんが大嫌いなの』


嫌いでもいいから、

お願い、そばにいて……


なお君……



「詩信!」