愛莉side
もう、卒業シーズン。
クラスでも掲示物とか
全部はがしてる。
体育祭や文化祭。
どれもこれも紗雪は写ってて
やっぱり、笑顔。
奇跡でも起きない限り。
侑磨「紗雪、元気か?」
愛莉「気になるなら見にくれば?」
侑磨「……」
愛莉「何でそんなに余裕なの?」
侑磨「何が?」
愛莉「紗雪が事故に遭ってから
もう、6か月も経つのに。
わかるでしょ?」
侑磨「わかんねえ。」
愛莉「もう!鈍感すぎなんだよ!」
侑磨「全然わかんねえから。」
走り去る目には
少しだけ涙が溜まっていた。
私たちが喧嘩してる場合じゃない。