入学式の日 「ねぇ、君ってさ、受験のときの?」 教室でぼーっとしていると、ふいに声をかけられた。 「え?」 びっくりして振り向くと髪を切った彼女が立っていた。 「やっぱり。後ろ姿でなんとなくわかったから声かけてみたの。」 そう言って笑う顔に鼓動が速くなる。