「ふ、え…っ」

あの時から、ずっとずっと好きだったんだ。

「…竹島くん……っ」

気づけばもう外は暗くなってきていて、静かな教室に私の泣く声が響く。

グスッ、としゃくりあげながら、必死に泣き止もうと頬を手でグイと拭う。

だけど、

「……泣いてるの?」





「え…っ」

すぐに後悔した。

帰らずに泣いていたことを。

この声。誰か、なんてことはすぐに分かってしまう。

「た、けしまく……」

「なんで、そんなに1人で泣いてるの?」

一番見られたくなかった人だった。気づかれたくなかった人だった。

竹島くんが、私の顔を見て眉間に皺を寄せる。

慌てて後ろ──窓のほうへと身体ごと顔をそらしたけど、そんなのは無意味だった。