見てもいい?と言えば、コクリと頷いて差し出されるノート。

そっと受け取ってページをめくれば、彼女らしい綺麗な優しい色が、小さな枠に世界を創り出していた。

こんなに綺麗な色がだせるんだ。

そう思って俺は彼女の目をジッと見つめる。

ほんのりと染まっていく頬に、俺はつい笑ってしまった。

「へぇ…。綺麗な色だね」

「……そ、そうかな?」

「うん」

嬉しそうにはにかむ彼女の髪がなびいた。

夏の涼しい風が俺たちを包む。

あぁ……やっぱり。

遠目で見ても分かってしまうほどに

「……うん。綺麗だ」

思わず呟いていた。

彼女は目を丸くして俺を見つめた後、後ろを振り向いてそっと言った。

「……うん。綺麗だね」