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「‥あっ、あの!‥」

俺は桜野の方に向かいながら言った

だか彼女は振り向きもしなかった
一息おいてさっきよりも大きめの声で
桜野をよんだ

「桜野!」

桜野はしぶしぶこちらを振り向いた
ポッキーを食べながら

その顔はやっぱり無表情だった
初めて真っ正面からみた顔
かわいい、とおもった

「ご、ごめんな? 大きな声だして‥?」


「……」

無口だ‥。いや 喋れよ‥。
そう思いつつも 苦笑いを浮かべる俺
空気をかえるべく


「初めましてだよな、 俺、初祢颯太
よろしくな‥?」

「……」

やっぱりなにも答えない

あー! あの笑顔がみたいんだけどっ
笑ってほしい‥