その後も、色々と思い出のある品が出てきてセレは少々支度に時間がかかった。

ピアリの方はシエナの手伝いもあり、早めに終わった。

セレはワンショルダーの革のバッグとポーチと剣。ピアリは麻のリュックとポシェット。

それだけにまとまった。

シエナとローエンが門まで見送りに出てくれた。

「今出発すれば明るい内に森を抜けられるでしょう。」

ローエンが言った。

「南に向かって進めば、1番早く森を抜けられます。そこからは国境まで2、3日です。」

「色々ありがとう。」

セレは礼を言った。

「いえ、いくら師の命とは言え、大変な思いをさせたのはこちらです。すみませんでした。」

ローエンはまだ心を痛めている。

「本当に、良く乗り越えてくれました。」

シエナはずっと心配してくれている。


「私はもっとシエナの話が聞きたいわ。」

ピアリが言った。

「私の?」

「ええ。ヴァシュローク様との事。出会った時の事とか、どんな話をしたとか。」

恋愛に興味が出て来たのだ。