2日後には、セレは歩ける様になっていた。

皮膚は再生が進んで弾力も戻り、色も見られる程度になっていたが、神経や筋肉は少し回復が遅れている様で、歩けるとは言ってもすぐに転んだ。

しかし

『水が飲みたい』
『外の風に当たりたい』
『これ以上動かないでいると気がおかしくなる』

と言っては、ベッドを離れた。

「どうしてジッとしていられないのかしら!」

その度にピアリに強制送還された。

少しの間は魔法書で勉強をするのだが、すぐに飽きてしまってまた動き出し、ピアリに怒られる。

そんな2人をジンは笑って見ていたが、急に身体に違和感を感じ始めた。

「何だか身体が少し痛い…それにムズムズする…」

と言い

「地下の寝床で休む。」

と出て行った。

「具合が悪いのかしら?」

ルーチェは後を追った。


ジンは地下で竜の姿に戻ってうずくまった。

首から背中にかけて大きなひび割れができていた。

「これは…?」

ルーチェは驚いて、セレ達に知らせに戻った。

その話を聞いて、セレは『脱皮』だとわかった。

「それはすごい!滅多に見られるもんじゃないぞ。」

セレは見に行きたくてたまらなかった。