翌日の朝。

ノーラの邸に馬車が来た。

レビン一行だ。

レビンと、その従者…おそらく昨日チューレと呼ばれていた男…と、役人らしき人物の三人だ。

邸の周りには近所の村人たちも来ていた。もちろん、その中にはセレ達もいた。

ノーラが両親に付き添われて出て来た。

レビンが前に出て、ノーラの手を縛ろうと上着のポケットからあの麻縄を出した。

だが…

「!?」

麻縄と数珠つなぎになったアクセサリーがジャラジャラと出て来た。まるで万国旗だ。

ブレスレット、ネックレス、指輪などなど…

レビンの驚いた顔は見ものだった。

セレは笑いをこらえ切れなかった。

声が出そうになるのを必死に抑えていたが、肩が揺れていた。

「セレ…あんただな。」

「……」

エルグとピアリは呆れた顔でセレを見た。ルルグは楽しそうに笑っていた。

「…レビン伯…これは?」

役人が尋ねた。

「さ、さあ…?何でこんな物が…」

レビンの額に汗が滲んでいる。

「ネックレス、ブレスレット…被害届のあった物ばかりですな…。」

「いや、私は何も知らない!」

「知らない…では済まされませんな。私と一緒に来て下さい!」