セレは、今すぐにぶん殴ってやりたい、という衝動に駆られた。

いや、駄目だ。ここは押さえて…

部屋から人の気配が無くなるのを待った。


「レビン様、お茶の時間でございます。」

女中らしき声がした。

「うん。今行く。」

足音が遠ざかる。


「よし、今なら…」

誰もいない事を確かめて忍び込んだ。

何とも落ち着かない柄の絨毯が敷き詰められていた。

机には、ノーラの写真。

そのすぐ下に引き出しがあった。

横1列に3つ、並んでいる。