「傷心のノーラ様に、レビン様の優しさが 伝われば、きっと慕って下さると思って おりましたが…」


「歩ける様になったとはね!…絶対に治る筈 は無いのに…聞けば、誰かがノーラに魔法 を教えて、動ける様にしたのだそうだ」


「全く、余計な事をする奴がいるものです ね。」


「おかげで、手間がかかってしまった。
 たまたまカラスが光る物を取って行くの を見てね。これは使える!と思ったのさ。
 手懐けるのは簡単だったよ。」


「レビン様は頭がよろしいですな。」


「人々は今度も、ノーラがやったと思うだ ろう。もう1度罪を犯せば、魔法封じは 免れない。絶望に陥ったノーラに甘い  言葉を囁やけば…」


「ノーラ様の心はレビン様のものになるで しょう。」


「完璧だ!」


「明日はお役人が来るのですか?」


「うん。見届け役が必要だからな。だが
 私が自分の手でノーラに縄をかける。」