「そうだったの…」

「久しぶりにヤールと色々話しができたよ
 …ヒゲなんか生やしてた。国王っていって も、中身はあまり変わらなかったな…」

淡々とセレは話した。

「最後に一目だけど、母上にも会えた。
 お元気そうだったよ。」

ピアリの目に涙が浮かんだ。

「どうした?」

「セレが、どんな気持ちなのかなって…」

胸が痛くてどうしようもなかった。

大好きな家族がいるのに思う様に会えないなんて…

「何だか、悲しくて…」

「ピアリ…」

優しい娘だ。

「心が離れている訳じゃない。悲しい事
 なんかないさ。」

セレは笑顔で言った。