「そうだったの…」

「ヤールを驚かせてしまったよ。死んだ筈の人間がいきなり目の前に現れたら、そりゃあ驚くよな。

ヴァッシュ様の魔法で一晩だけの蘇生だ、ってごまかしたけどヤールの事だ、後で何かおかしいと気付くかもな。」

「……」

「久しぶりにヤールと色々話ができたよ。ヒゲなんか生やしてた。国王って言っても中身はあまり変わらなかったな…」

淡々とセレは話した。

「最後に、一目だったけど母上の顔も見られた。お元気そうだったよ。」

ピアリの目に涙が浮かんだ。

「どうした?」

「大好きな家族がいるのに思うように会えないなんて…セレがどんな気持ちなのかなって…」

「ピアリ…」

優しい娘だ。

「俺の家族はみんな相思相愛だよ。悲しい事なんか無いさ。」

セレは笑顔で言った。