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「ねぇ、そら。」



「なに。」



「キスしよ。」



「無理。」





いつまでわたしの
手を握ってんだろ、こいつ。




「はなして。」




腕を振りほどく。


キッと睨みつけると、
ニヤリと笑う、この男。



「俺の彼女だろ?空。」



「別れよう。」





は?




男は間抜けな表情をみせる。


付き合ってまだ1日。
経ったか経ってないか。



「じゃ、さよなら。」



彼の目の前にさっき、
彼に握らされた1万円札を
ドン、と置いて立ち去る。



男の声には、振り向かなかった。