「あー…せっかくいい感じに眠れてたのに

お前のせいでサイアク…」

そう言って一緒に眠っていた男の子が起き上

がると同時にあの柑橘系の匂いがした。

「おい、お前名前は?」

「え?」

「名前だよ!名前ぐらいあんだろ!」

急にキレられる私。

なんで私が怒られないといけないの!?

こっちが怒りたいぐらいだし!

「皇妃夏ですけど!そっちこそ何よ!ってか

普通は自分から名乗るのが筋だと思うんだ

けど?」

つい上からの態度にむかつき言い返す私。

すると隣でずっとみていた男の子が、

「初めて女の子に怒られたね、帝。あっ

俺は神崎雅で、この無愛想なのが神崎帝で

俺の双子の兄。よろしくね、後輩ちゃん」

双子だったんだ…言われてみればなんとな

く似ているな…。ん?今この人後輩ちゃんっ

て言った?

「あのー…学年は?」

聞いてみるとやっぱりの答えが返ってきた。

「一応2年生だよ。」