「それじゃあ行ってきます」
と私、雄一父が言う。

「行ってらっしゃい」
母の笑顔を観て外に出る。
母の笑顔は日本一だ。


今日はいつもより天気が良かった。

「朝日が気持ち良い」
雄一はオッサンのように
鼻の穴を大きくさせ言った。


「姫香は・・部活に入らないのかい・・・?」
と心配そうな顔を浮かべて父は言う。

「入れよ。楽しいぜ!」

雄一っていつも偉そうに言うのやめてほしいわ・・・。


でも私は・・・

「やだ。入ったって時間の無駄図解だし・・・お金かかるし・・・」

そう言うと父は
寂しい顔をして
「そうか・・・」と言った。



ごめんね・・・。
父さん・・・。



「そうなの?
人と関わるのが怖いだけじゃなくて?」
何で雄一はわかってしまうんだろう。

私は無言で
前を歩いた。

後ろで
「余計なこと言うな」と
父が怒っていた。
ざまーみろ。

でも図星なんだよね~・・・。
私は人とかかわるのが怖い。

友だちから裏切られた時から
こんな性格になってしまった。

また人と関わったりしたら・・・
また裏切られてしまうのではと
考えてしまう。

でも今は一人が一番良いと
思えるようになった。

「俺はこっちだから。
二人とも今日も頑張るんだぞ!じゃあな」
父はそう言って去って行った。

「僕こっちだから。
お姉ちゃん色々頑張れ!じゃあな!」
雄一・・・兄ぶってる。

「兄ぶんないの!!
気をつけて行ってらっしゃい!」
雄一の言葉が少しだけ嬉しかった。

一人で歩く寂しいな。
まあいつもそうなんだけどさっ。

「学校行きたくないなぁ」
私はつい口の出してしまった。
まぁ良いでしょ!
本当のことだしね!!


「何言ってんだ?行かねぇーとダメだろう!」
知らない男子が私に話しかけてきた。

「なぁ。桜野高校って知らない?」
桜野・・・高校・・・って私が通ってる学校じゃない・・!
最悪だなぁ・・。

「この先をまっすぐ行ったところですが」
やっぱりこういう時は親切に・・・!

「マジ?!サンキュー!またな」と
言って去って行った。

「朝から変な人に会ったなぁ・・・。
あっ!私も急がないとっ」。

あの男子見たことないけど誰だろう。
転校生・・・かな?


まぁ私には関係ないけど。


私の通っている学校は
桜野高校という。
春の時の桜はとても美しい。