~真駆said~(慎二)



慎「………いた」



やっぱりここだったか



風が吹き抜け太陽の陽射しが熱く照りつける屋上




慎「……湊川」



その建物の陰に座り込んでいた湊川を見下ろし声をかける



類「…………」



湊川からは返事がない


俺は黙って隣に腰を下ろすと購買で買ってきたパンの袋を開ける


周りを見渡せば普段屋上なんかに来ない俺を不思議そうに

もしくは嬉しそうに遠巻きに眺める男や女がたくさんいた



結構…人がいるんだな


最初は俺たち真駆も屋上を溜まり場にしていたんだけど


夏は暑いし冬は寒いという理由で空き教室に移動した


エアコンも完備しているから快適に過ごせている



慎「……暑くないか?」



季節は夏に移り変わろうとしている

風は気持ちいいがやっぱり暑い