慎「はぁ~~…」


溜め息を吐いたのと同時に身体に衝撃が走った



ドンッ!


慎「あっ、わりぃ…」



前、見てなかった


ぶつかって転んだ相手に手を差し出そうとして思わず手を止めた



目の前にいたのは


鼻のあたりまで髪を伸ばして

一言でいうと正直不気味な感じ


俯くと余計顔が見えなくなるわけで




麗「あんた、どこ見て歩いてんの?」



類「……すいません」



聞こえたのは言ったのかも分からない程の小さな声


その表情は見えない




とりあえず…

慎「大丈夫か?」



止めた手を差し伸べる



麗「ちょっ…慎二。危ないよ」


未だ俺の腕にくっつく夏目が非難の声を上げる



女は俺の手を取らずに自分で立ち上がると

何も言わず横を通り過ぎて行った