上着を捲ると肌に見える黒い痣や切り傷


私を蹴る女が言っていた



女「慎二様から睨まれたじゃない!あの女のせいで!」



女「こんな短期間で姫になるなんて図々しいにも程があるわ!」



女「何で私じゃなくてあの女なの!」



もうその目は私を人間として見ていなかった


いつもならかかるはずの私への侮辱の言葉もなく

物に…人形に八つ当たりするかのように



真駆を恨む気持ちはない

というより恨むという感情自体がどうでもいいこと



何も考えたくなかった

…考えなかった




ただただ相手の望み通り人形になりきるだけ


こうすることで彼女たちのストレス発散に役立っているのだろうか



そうしている間にも


女「あなたたちも憂さ晴らしします?」



通りがかりに真駆の姫に対して不満を持っている人に女たちが声をかけ



人数が増えていった