さて…どう答えようか


隣を伺えば神奈川くんも私の答えを待っているようだし



豊村くんは無言で切り抜けられる人じゃない


…喋らなきゃダメかな



でも前髪に関しては理由なんてない



ただ、理由を挙げるとするのなら


このどうしようもない世界から目を背けたかったから


自分が生きてることを否定するような楽な逃げ道が欲しかったから


…意味分からないよね

私も良く分からないんだ




私が返答に戸惑っていれば




虎「類ちゃん無視しないで喋ってよ～」



どこか拗ねたような口調で口を尖らせて豊村くんが呟く




無視…ね


その声がまたひとつと私の胸のうちを黒く染める



まぁ…予想の範囲内だよね


どうしようもないなこの人も…



類「ふ……」



虎「類ちゃん？」