そこに立っていたのは同じクラスの

木下 光哉だった。

「あれ?雪川、授業は?」

雪川というのは、あたしの名字。

「そういう木下くんだって、授業は?」

「俺?俺はサボリ♪」

木下くんはニッと笑いながら言う。

「同じくあたしもサボリ~」

「へ~雪川がサボリなんて珍しいね!」

「まぁ、色々あって・・・廊下で転んだり、筆箱忘れたり・・・」

あたしはまた、外の1年生を見ながら息を吐く。

転んだ1年生を見て、顔が緩む。

「へ~雪川、転んだんだ~ドジだな♪」

木下くんは笑いながらからかう。

「ドジって・・・だってしょうがないじゃん!!急いでたら、ドテッと・・・」

「あはは!雪川、おもしれー!」

木下くんはお腹を抱えながら笑い始めた。

「ちょっと!笑いすぎだって!!」

あたしは木下くんに怒る。

けれど、何故か楽しい。

木下くんってこんな人だったんだ・・・

初めて思った。