「ありがとう~」

そう言って立ち上がる。

ふと落ち着くと周りからの視線に気づいた。

よく見ると、あたしの周りには

理科の教科書やら眼鏡やらが散らばっていた。

(恥ずかしい・・・)

あたしは今更思った。

「ほら!早く行くよ!あと2分で鐘鳴っちゃう!!」

優美が急かすように言う。

「ごめんっごめん~~っ!!」

あたしは、急いで教科書を拾う。


「―・・・あ!!」

「何?亜香莉!」

「・・・筆箱、忘れたぁ~~!!」

あたしは大きな声で叫ぶ。

「は!?早く取ってきなよ!!・・・もう!あたし、先に行くからね!」

そう言って、優美は先に理科室へ行った。

あたしは荷物を持ちながら教室へ向かって走る。