「ごめん!遅くなった!」

木下くんがドアの下で息を整えながら立っていた。

「ううん!待ってないよ~」

「そかっ!良かった!」

木下くんはニッと笑う。

あたしはそんな笑顔にドキッとする。

あたしはこんな笑顔をするとこにも惚れたんだと思う。

見ただけでも幸せになれる。

「じゃあ、帰ろうか!」

あたしはそう言って鞄を持って廊下へ出ようとする。

すると、

「ちょっと待って!」

木下くんはあたしの腕を掴む。

「へ?」

つい、変な声が出てしまった。

「話が、あるんだ」

木下くんは真剣な顔で言う。

あたしはそんな顔を見て体が止まった。

「話って・・・??」

おそるおそる聞く。