ぞろぞろとみんなが帰っていく。


『私も混ざって帰りたい…』




「おい、お前」




 なんだよ、この機嫌の悪いときに。


「なに。私はお前じゃない」



 あぁ。


 早く帰りたい。

 この状況から抜け出したい。




「原田、仕事しろ」



 へいへい。


 やりゃあいいんですよね、やりゃあ。





 教室にパチン、パチンとホッチキスの音が響く。


 やけに気まずい。




 それもこれも、全てお前のせいだ、七瀬!






 神様、あなたは私が嫌いなのですか…?








 それは、一瞬の事だった。


 頭の中で、ぶつくさ文句を呟いて気を抜いていた私に襲った痛み。



「いっ…」









 ホッチキスに指を挟んだ。


 ついでに、ホッチキスの針が指に刺さった。


『痛ッ!…もう最悪ッ』











 今日は厄日だ。