「なに」


 私は内心どきどきしながら、声が震えないように抑えながら返事をした。


 奴はそんな私の返事を聞いて、少し眉を寄せて怒ったような、悲しそうな声で言った。








「なんで、そんなに人を拒絶してるんだ?」


  奴は私をじっと見つめて言った。




 『拒絶』

 その言葉を聞いて、私はすうっと熱が引いていくのが分かった。


 さっきまでうるさかった胸は、なにもなかったかのように静かに脈打っていた。




 


 拒絶してるわけじゃない。

 ただ、話さなくても相手が言いたい事がわかってしまうだけ。

 それだけなのに。






「あんたに…関係ないでしょ。委員長気取り?私の事なんてほっておいてよ」







 そんな事が言いたいんじゃない。

 ほんとは、『拒絶なんてしてない』って言いたいんだーー…








「関係ない、か…」

「あ…」





 言ってしまってから分かった。

 心が読めなくたってわかる。


 私は、奴を













 傷つけたーー…。