「冗談だよ。単純なんだね、千颯」
声を出して笑った。
「……なに?」
「あ…な、なんでもない!」
誤魔化すようにティーカップに視線を落とす。
いぶかしむようにこちらを見てくるから顔をあげられない。
つい、見とれてしまった。
からかわれても、バカにされても。
初めて見た、蕾の、本当に楽しそうな笑顔。
顔が火照るのは熱い紅茶のせいだけではないはずだ。
だって本当に。
本当に可愛かったから。
蕾を初めて見たときより、ずっとずっと、目を奪われた。
やっぱり彼女はとんでもない美少女だ。
危険で危険。
ずるすぎる。
***********
「じゃあ教えてやるよ。千颯をここにつれてきた理由」
生意気な口調なのに、なんだかまだ恥ずかしくてまともに顔を見ることができない。
「さっき見たあれが姫さんだ。その姫さんが問題でさ」
少し熱がひいて、軽く相づちを打つ。
「姫さんは小さいころからお姫様願望が強くて」
お姫様がお姫様願望強いって変な話。
でも黙って相づちを打った。
「あるときから王子様がこないって騒ぎ出して」
どんなお姫様だ。
本物の分、お姫様願望強いふつうの女の子よりタチが悪い。
「ついには生きる意味がないって嘆きだしちゃって」
「極端だね…」
「うん。でも仕方ないよ。本当につまらないんだから」
淡泊で冷えた目。
怖い。
声を出して笑った。
「……なに?」
「あ…な、なんでもない!」
誤魔化すようにティーカップに視線を落とす。
いぶかしむようにこちらを見てくるから顔をあげられない。
つい、見とれてしまった。
からかわれても、バカにされても。
初めて見た、蕾の、本当に楽しそうな笑顔。
顔が火照るのは熱い紅茶のせいだけではないはずだ。
だって本当に。
本当に可愛かったから。
蕾を初めて見たときより、ずっとずっと、目を奪われた。
やっぱり彼女はとんでもない美少女だ。
危険で危険。
ずるすぎる。
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「じゃあ教えてやるよ。千颯をここにつれてきた理由」
生意気な口調なのに、なんだかまだ恥ずかしくてまともに顔を見ることができない。
「さっき見たあれが姫さんだ。その姫さんが問題でさ」
少し熱がひいて、軽く相づちを打つ。
「姫さんは小さいころからお姫様願望が強くて」
お姫様がお姫様願望強いって変な話。
でも黙って相づちを打った。
「あるときから王子様がこないって騒ぎ出して」
どんなお姫様だ。
本物の分、お姫様願望強いふつうの女の子よりタチが悪い。
「ついには生きる意味がないって嘆きだしちゃって」
「極端だね…」
「うん。でも仕方ないよ。本当につまらないんだから」
淡泊で冷えた目。
怖い。