その日は本当にいつも通りの平凡な日だった。
私、元町莉花は理科の移動教室の準備を友達の谷果帆よりも早く整え、廊下で友達を待っている。
本当に毎日が平凡に過ぎてゆく。
彼氏もいない好きな人さえいない私は、学校へは友達と話すのも楽しみにしている。
親友の果帆は小学校からの付き合いで、私の良き理解者。
私にとって果帆の存在はハンパなく大きい。
移動教室の時、果帆は準備が遅い。
というのも果帆のロッカーは荷物だらけ。
整理が苦手なんだって。
果帆を待つのはもう慣れている。
特にすることもない私はぼーっと果帆を待つ。
ん?
なんか違和感が…
視線を感じる…
あきらかに視線を感じる…
横目に人影がうつる…
横目の人影を頑張って分析。
ー確かこの人1組の…
村田陸。
サッカー部の期待の新人とかゆわれてて、結構目立つ人。
ーなんで、なんで見られてんの⁈米粒つ いてる⁈
考えすぎて変な顔になりそうなのを必死で真顔になおす。
そんなことをしているうちに果帆の準備が整っていて、
「莉花⁈行くよ⁈ごめんね、遅くて」
「ううん。全然、さすがに慣れます。」
「ご迷惑おかけしました。以後気をつけます。」
「あっ、大丈夫っす。期待してないんで。」
「おいっ!」
果帆とはこんなくだらない事ばっかり話してる。
でもその時間がすごく楽しい、大好き。
でも今日はあの村田陸の事が頭に残ってる。
けど、果帆と話している内にたぶん薄れて行く。
たぶん私にとっては大した存在ではないんだ。