黄原にはどうやら、隠し事は出来ないらしい。

それに、愛ちゃんと緑木先輩が別れたっていう事実は、すぐに広まるのだろう。
付き合い初めてすぐのときのように。

「二人、別れて……。
なんだか、見ていられなくて」

あたしは詳しいことには触れず、それだけ言った。
目の前のアイスコーヒーを手に取る。

「……そうか」

黄原も、深くは聞いてこようとしなかった。

「なぁ、うみ、さ。
前に、好きなタイプの話し、したじゃん?
ほら偶然会って、公園で。
お前、優しい人が好きって」

「え、なに?
また唐突に……」

本当に、黄原はよくわからないことを突然言い出す。