「うみちゃん部活でしょ?
いいよ、そこまでしてくれなくて。
わたし大丈夫だから、ね?」

「愛ちゃん……」

笑顔が、痛々しい……。

愛ちゃんは、さっさと帰り支度を済ませて、じゃあ明日ね、と帰ってしまった。

「うみ? 部活行かないのか?」

席に座ってじっとしているあたしに、黄原が声をかける。

「あ、うん。ちょっと……」

曖昧な返事をしながら、あたしはまだ動けずにいた。

愛ちゃんの恋を、ずっと見守っていた。
愛ちゃんと同じクラスになって、親友になって、
「好きな人、出来たの!」
と報告を受けてから、ずっと。

それが、あっさりと、1ヶ月で終わった……。