「ダメですよ、先輩。
お別れしたんだから、気安く触らないでください」

「あ、そ、そうだな……」

愛ちゃんの頭をなでようとしていた先輩の手は、引っ込めてもらった。

「愛ちゃん、俺の方こそありがとう、それとごめんね?
俺、小さい頃から、女の子と言えば隣の晴香だったから……。
つい、無意識にそんなこと言ってたんだな」

傷つけてしまって、ごめん。
先輩が、愛ちゃんに頭を下げた。

「いいんです。
先輩、さようなら」

言ってもう一度頭を下げて、愛ちゃんは歩き出した。
あたしも、その後に続いた。