美空も裕実も美和も、美咲にパスを入れようとするが上手くいかない。
苛立ってきた美咲は、自分からボールをカットしに行くが、こちらも上手くいかない。
そして、そんな美咲のプレーが米倉のチームワークを乱していく。
そんな中、3Qが終了。
点差は十分にある。
4Q、コーチは美咲の代わりに幸恵をコートに送り込んだ。

「待ってください。
どうして私がベンチなんですか?」
美咲は納得がいかず、コーチに食いつく。

「美咲が出なくても、この試合は勝てるよ。
…いや。
もし負けそうだとしても、今のお前をコートに送り出すことは出来ない。
バスケはチームワークが大切なスポーツだ。それを乱すやつは、どんなに技術が優っていてもダメだ!」
コーチは美咲にガツンと言い放った。

「……………」
美咲は返す言葉がない。
コーチの言っていることは正しいし、3Qの自分のプレーを反省しているから。

コートでは、菜月が中で勝負するのをやめ、ポストプレーに徹っしている。
代わりに美空や裕実のミドルシュート、美和や幸恵のドライブが増え、着実に点を重ねていた。
コートの5人がイキイキした動きで、それぞれ得意なプレーを出しているのを、美咲は羨ましく見ていた。